さようなら交通博物館 (その2)
復刻記念硬券を2枚手に入れて、やれやれといった感じ。館内を見渡すと人、人、人。大変な混雑具合だ。さようならキャンペーンの効果は大きい。多くの人が閉館を惜しんで入館しているとみた。これほどの混雑は記憶がない。見学路のいたるところに行列ができている。小さい娘を連れて見学するには少し体力がいる。
さて、スタンプラリーを終えて、館内が混雑で人の熱気がものすごい状況になっているので、一息いれようと、館外の見学路を目指す。向かうは、2階連絡通路から弁慶号へ。ここには、SL弁慶号、客車(開拓使号)、SL善幸号が展示されている。そういえば、弁慶号はミニチュア版が青梅鉄道公園にあった。100円払えば乗車できるやつだった。
ここ交通博物館の館外展示物は、別に入館料を払わなくても路上からでも十分に近づいて見ることは可能。もちろん、入館者は柵内で車輌に最も近い場所で(つまり、見学路で)見ることができる。道路を通りがかりの人も目を凝らしている。
これらの車輌は、いずれも日本に鉄道が開通されて、そう年数のたたない頃に輸入されたもの。陽気がよく、とても気持ちがいい。特に、この日の天気はよかった。しかも、館内と比べても見学者の数は少ない。穴場って感じ。 とは言っても、貴重な鉄道文化財だ。日本鉄道史を語り継ぐためにも、末永く大事に保存されていってほしい。
さて、またまた館内へ。とはいっても、どのフロアも人だらけ。多くのお客さんが来ているということじたい、私にとってもうれしい。階段付近が一番人が少ない。一路、屋上へ上る。神田川が見えるだろうか。電気街も望めるだろうか。そんな期待をこめて、娘を連れて上った。
屋上からは中央線快速電車、総武線各駅停車の姿が見える。もちろん、神田川も、秋葉原電気街も望める。そうそう、中央線快速電車の脇には、旧・万世橋駅ホーム跡がくっきりと。ホーム跡に沿ってオレンジ色の車輌が通過していく。線路は、ホーム跡に沿って美しい緩やかなカーブを描いているのだ。ちなみに、屋上から眺望しているお客さんは少ない。数人程度。
反対側の階段から、館内へ。休憩する場所もある。この場所にも多くのお客さんが。これだけ多くのお客さんが入館していると、休憩を取るにも一苦労だと思う。ちなみに、私は娘を抱っこしたりおんぶしたり。ここまで相当汗をかいている。でも、私も楽しみにしてきたし、娘もまんざらではなくところどころ目を凝らしては何か叫んでいる。
館内1階の9850形の前まで戻ってきた。旧・万世橋駅構内の特別見学が連日満員札止め状態だそうで、一般見学者も気軽に旧・万世橋駅の雰囲気を味わえるように、「のぞき窓」が設けられた。館内の小さいのぞき窓から「のぞける」のだ。 確かに、見学を期待して来場するファンは、事前予約できず当日も早々に受付終了で見学できず残念がるだろうし。気のきいた配慮だと思った。
館内の一角に設けられた休憩スペースの脇に、その「のぞき窓」はある。自動販売機が並んでいるその脇に、どういうわけか人だかりが。これではゆっくり休憩どころではない。それくらい、この場所も大盛況。この日も朝10時頃には当日の特別見学の受付は全て終了ということだから、のぞき窓だけでものぞいて帰ろうというお客さんが多い。
のぞき窓を見終えて、ここまでで約2時間。本当に人が多かった。疲れたけれども、こんなに多くのお客さんに見送られることは、私自身もとても嬉しい。多くのファンが閉館を惜しんでいるのだ。おそらく、全国からだろうと思う。
最後に、1階をぐるっと一周して帰ろうと思った。そこに一つのドアが。そう、このドアは3月に旧・万世橋駅の特別見学で通過した場所。ここから見学に入ったのだ。このドアの向こうに旧・万世橋駅がある。夢のような場所が残されている。心残りであるが、もう閉館までに入ることはできないだろう。そう思って見つめていた。
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